5. 生態系と環境(詳しい解説)
地球上の生物は単独で生きているのではなく、お互いに影響を与え合いながら 生態系 を作っています。 ここでは、生態系のしくみや環境との関係について詳しく説明します。
① 生態系とは
生態系(エコシステム) とは、生物とそれを取り巻く環境 が相互に関係しながら成り立つシステムのことです。
生態系の構成要素
生態系は、大きく 生物的環境 と 非生物的環境 に分けられます。
・生物的環境 生物同士の関係(植物・動物・微生物など)
・非生物的環境 水・土壌・空気・光・温度 など
✅ ポイント
・生物と環境は 相互に影響を与え合う(例:気温が上がると植物の生育が変化する)。
・環境の変化によって、生態系全体が変動することがある(例:気候変動による森林の減少)。
② 生物の役割と食物連鎖
生態系の中では、すべての生物が何らかの役割を持っています。
生物の3つの役割
生産者 植物・藻類 太陽の光を使って光合成し、有機物(栄養)を作る
消費者 草食動物・肉食動物 他の生物を食べてエネルギーを得る
分解者 バクテリア・菌類 死んだ生物を分解し、栄養を土に戻す
✅ ポイント
・生産者が栄養を作り、それを消費者が食べ、最後に分解者が分解することで 栄養の循環 が起こる。
・これが 食物連鎖(フードチェーン) の基本的なしくみ。
② 食物連鎖と栄養ピラミッド
食物連鎖は、エネルギーの流れを表す。
生物はどの段階でも エネルギーの一部を失いながら 生命活動を行うため、食物連鎖の上位になるほど個体数は減る。
・生産者(草・藻類)→ 一次消費者(草食動物)→ 二次消費者(肉食動物)→ 分解者(微生物)
・例:草 → ウサギ → キツネ → バクテリア
✅ ポイント
・上の段階にいくほどエネルギー量は少なくなる(約90%のエネルギーが熱として失われる)。
・そのため、ピラミッド型(栄養ピラミッド)になる。
③ 物質循環(炭素と窒素の循環)
生態系では、物質(栄養)が循環し続けています。
代表的なのが 炭素循環 と 窒素循環 です。
・ 炭素循環(CO₂の循環)
炭素は、生物の体や大気中の 二酸化炭素(CO₂) の形で存在し、以下のように循環します。
1.植物が光合成 し、CO₂を取り込み、有機物を作る。
2.動物が植物を食べる ことで炭素を吸収する。
3.生物の呼吸や分解者の働き により、CO₂が大気中に戻る。
✅ ポイント:
人間の活動(化石燃料の使用)により、CO₂の量が増え、地球温暖化の原因になっている。
窒素循環(生物に必要な窒素の流れ)
窒素は、DNAやタンパク質の材料として重要。
大気中に多く含まれるが、そのままでは生物は利用できない。
1.窒素固定:根粒菌や雷の働きで、空気中の窒素がアンモニアに変化。
2.植物が吸収し、動物に伝わる(窒素を含む有機物として)。
3.動物の排せつ物や死骸を分解者が分解 し、再び窒素を土に戻す。
✅ ポイント:
窒素はバクテリアの働きによって循環し、生態系の栄養素を支えている。
④ 環境問題と生態系への影響
近年、人間の活動によって生態系が破壊されることが問題になっている。
代表的な環境問題
地球温暖化 CO₂の増加により気温上昇、異常気象の増加
森林破壊 生息地の喪失、生物多様性の減少
海洋汚染 プラスチックごみによる生物への影響
外来種の影響 在来種が減少し、生態系が乱れる
✅ ポイント
•生物多様性の保全(自然保護区の設置、生態系の回復)
•持続可能な開発(エコな生活を心がける)
⑤ 人間と生態系の共存
人間も生態系の一部であり、自然と共存することが大切。
環境を守るためにできること
1.再生可能エネルギーの利用(太陽光・風力発電)
2.森林保護・植林活動
3.リサイクル・プラスチック削減
4.自然と調和した農業・漁業
✅ ポイント
•生態系のバランスを守ることが、長期的に人類の生存にもつながる。
まとめ
✅ 生態系は「生物」と「環境」の相互作用で成り立つ
✅ 食物連鎖と栄養ピラミッドにより、エネルギーが流れる
✅ 炭素・窒素などの物質循環が生態系を支えている
✅ 環境問題(温暖化・森林破壊)が生態系に影響を与えている
✅ 持続可能な社会を目指し、生態系を守ることが大切
高校生の生物のポイント